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下の続きみたいなの。
たぶん単品でも読めます。

れっつぱーりぃからどうぞ。
▽Let's party!

何処までくる
何処まで入ってきてしまう

今まで誰に踏み入れさせなかった我の領域に・・・

 





 

 


昼の光

 

 

 

 

 

 

少し前から、ある男にやたらと話しかけられる。
派手なオレンジの髪をして、ある程度制服を着崩して、
目立たない程度にピアスやらネックレスやらして。
おおよそ自分とは近くないらタイプの男である。
しかし、にこにこと退けにくい笑顔で決して気分が悪くなるような会話はしなくて。
気が付いたら、嫌な気持ちになるどころか楽しいなどと思っている自分がいた。


最初は朝の誰もいない時間だけだった。
窓から太陽を眺めながらポツポツと男が話し自分は相槌を打つだけだった。
それが次第に『会話』になっていった。
そして、最近では昼食まで共にするようになっていた。
勝手に来て食べているだけだったが、それでも嫌だと思っていない自分が不思議だった。


これだけ、自分の領域に他人が入ってきているのに不快だと思わないのは何故だ。
今までこんなことはなかったのに。











 

 

「ナリ、昼メシ今日屋上行くよ。」
好きに呼べと言ったせいか男は自分のことをこんな風に呼び始めた。
そんな愛称めいたものは初めてで、表に出すことはしないが正直戸惑っていたりもする。
しかし男はそんなことなど露知らず、腕を掴み屋上まで引っ張って行こうとする。
「馬鹿者、まだ何も持っておらぬだろう。少しは待てぬのか。」
「ゴメンゴメン。」
不機嫌も露に軽く睨みながら言っているにも関わらず男は気に留めた様子もなく、
笑顔を浮かべ軽い調子で謝る。
そんな自分が戸惑うようなことばかりしている自覚などないのだろう。
昼食を手にしたのを見ると男はまた腕を掴み、急くように小走りで屋上へと向かった。








 

 

 

「何故屋上なのだ。」
「まぁ、ちょっとね。」
ガコン、と古めかしく重たい音を響かせて屋上への扉を開ける。
人が来ないせいか少しだけ埃っぽい。
男はコンクリートの上に座り、腕を引いて自分も座らせようとする。
決して綺麗とは言えないコンクリの地面に直に座るのは正直嫌だったが、
どうせ男に言い包められて自分が折れるのは目に見えていたので大人しく座っておくことにした。
すると、ガコンとまた先程と同じ音をさせて扉が開いた。


「悪ィ、遅かったか。」
「お前が悪ィんだろうが。」


扉の向こうからは、聞き覚えのある声と初めて聞く声が聞こえたと思ったら、
銀髪で派手な出で立ち、左目に眼帯の予想通りの人物と
もう独り知らない男が入ってきた。

「って元就?」
「黙れ。」

向こうもこちらに気付いたらしく素っ頓狂な声を上げた。
それを一睨みして一蹴する。

「Who?元親知り合いか?」
「あー・・・まぁ、そんなところだ。」

銀髪で派手な男、こと長曾我部元親の後ろから、コイツ程ではないが中々に派手な男が
ひょこっと顔を出した。元親とは逆の右目に眼帯をしている。

「猿飛、何故あやつがいる。」
「あやつってチカ?それともマサ?」
「あの馬鹿だ。」
不機嫌を隠すことを止め声を低く訊ねると、困ったように眉を下げ笑った。
「まぁ兎に角、チカもマサも座れば?」
「あぁ」
「Yes」
猿飛の声に短く答え二人は自分達の正面に向かい合うように座った。
全員揃った、とばかりに昼食を広げ始める猿飛に続きそれぞれ昼食を広げ始めた。


「佐助とlunchなんて久しぶりだよな。」
「そうだね、ここんとこ断ってたからなァ。」
「断ってた理由は元就か?」
「我の名を呼ぶな下衆め。」


猿飛曰く、
『二人誘って此処にしたのはナリを紹介したかったんだ。
 まぁ、チカとは知り合いだったみたいだけど。』
とのこと。
そして、右目に眼帯、時折英語交じりに喋る男は伊達政宗だと紹介された。
伊達はニィッと憎めない笑みを浮かべて手を差し出した。
渋々手を握ると笑みが嬉しそうなものに変わった。






「それにしてもチカとナリが知り合いだったなんて意外。」
「今まで一緒にいるの見たことないぜ。」
「だって話しかけると嫌がるし。」
「貴様の知り合いなどと思われたくないわ。」

元親とは昔からの腐れ縁だということを軽く説明すると、
猿飛は珍しく驚いたような顔をし、伊達は左目をまん丸にさせていた。









「これからは四人は昼にしようね。」
「OK.It's a nice idea!」
「俺も賛成。」

すっかり昼食を食べ終えた猿飛の提案に、伊達も元親も嬉しそうに答えた。


「ナリは?どう?」
「我、は・・・・。」


猿飛がこちらをじっと見て訊ねる。
他人と関わるなんてくだらないと思っていた。
独りの方がいいと思っていた。
なのに、それなのに猿飛といるのは嫌じゃなかった。
伊達と、ついでに元親と関わることになることが煩わしいとは思わなかった。
何故か判らない。
判らない。
判らないことだらけだ。

 

 

 

 


「別に構わない・・・。」

 

 

 

 

 

 

でも、

 

 

 

 

 

 


「良かった。」

この男の笑顔を見てしまうと、
まだ判らないままでもいいか、なんてらしくないことを思ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつか、こやつらと居るのが嫌じゃないのか判る日が来ればいいと
教室から見るよりも広く大きな日輪を見上げながらぼんやりと思った。




















―――――――――――――――
予告通りもとてぃかんと政宗出したよ副隊長!(私信!?)
それぞれのキャラを上手く表現しきれてないのは
当人が一番よく判ってます、ハイ。

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女性
職業:
百合にゃん双子斬り込み隊長・文字書き
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ネサフ・落書き・パロの妄想
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好きな漫画ゲーム等:戦国BASARA、戦国BASARA2、銀魂、落乱(忍たま)、種、種運命、薔薇乙女、ブラック・ラグーンetc...
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BASARA愛CP:伊達受全般、佐就

好きな声優:諏訪部順一、中井和哉、豊口めぐみ

好きな歌手:ALI PROJECT、angela、T.M.Revolution、redballoon
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