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何かノリで書くことになった佐就小説。

現パロ高校生で、くっつく前の話。
続き、からどうぞ。
▽Let's party!

誰よりも早くいて、誰も知らないだろう顔をして
ずっと窓の外を見ているキミが気になってしょうがなかったんだ。





















ガラリ、と古いせいか、少しだけ重たい教室の扉を開ける。
そこにはまだほぼ人の気配はない。まだ始業のベルが鳴るまでに大分時間があるからだ。
学校から家までが距離のある俺は、人よりも早く学校に着く。
このクラスになって初め、こんな時間誰もいないだろうと思って、携帯を堂々と開きながら教室に灰ってきて驚いたものだ。
独り、ただ独りだけが俺よりも早く教室にいた。
適度に着崩している俺と違って、規範通りきっちりと制服を着込み肩ほどまである髪をさらさらと揺らし、切れ目を入れたかのような鋭い切れ長の目を細め、ただ窓の外を見ていた。


―――・・・アレは確か、毛利元就・・・



まだ名前と顔が上手く一致しない時期ではあるが、彼の存在は何故かはっきりと印象付いていた。
その容姿の端麗さ、そして人より何歩分をも抜きん出た成績。
そしてその端整な容貌通り怜悧な性格。何者にも鋭い目を向け、必要最低限の言葉しか発せず、誰かと一緒にいるところなど見たことがなかった。

その、毛利元就が窓の外を見て微笑むかのように目を細めている。
初めて見た表情だった。
俺はその絵画のような情景に目を奪われつつも
「おはよ」
と、声をかけてみる。
すると外を見ていた顔がこちらに向く。しかし残念ながらその目は鋭くキツイものだった。
そして更に残念ながら、挨拶の返事が返されることはなかった。


そんな、彼の普段とは違う様子を目にしてしまってから俺は、気がつくと彼を目で追っていた。
朝は相変わらず俺よりも早く登校して窓の外を見ていたし、授業中は真面目に教師の下らない話を聞いているし、休み時間は誰とも話すこともなく本を読むか勉強をしていたし、昼食も独りでとっているようだった。
一度、一緒に食べないかと誘ってみたら予想通りすっぱりと断られた。
朝の挨拶も相変わらず返事がないまま。
ここまで相手にされないと、意地にもなるもので。俺は独りで外を眺める彼の隣に並んでみた。隣に来た俺を見て彼は訝しげに眉を寄せたが気が付いてないフリをした。

「何、見てんの?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「何か面白いものでもあんの?」
「・・・・・・・・・・・・・」

まるで会話にならない。
声をかければ一瞬視線をこちらに向けはするが、その視線もすぐにまた外へと逆戻り。
はぁ、と小さく溜息を吐く。
俺、嫌われてんのかねェ?
これ以上無駄な問答を続けることをやめ、俺は彼と一緒に特に面白いものもない外を眺めることにした。



「何故、我に構う」



しかし、幾分も経たないうちに彼はぽつりと言葉を発した。
視線は相変わらず外のまま。自分自身に問うかのように、小さく落とされた言葉に俺は一瞬呆ける。

「え、」
「何故、我の構うのだと聞いておる」

そういえば、何で俺構うようになったんだろ?
こちらを向かせようと躍起になってはいたが、改めて問われるとなんでだろう?
いつも表情というものがあるのかと問いたくなるような彼が、早朝、誰もいない教室で窓の外を眺めている時だけは僅かに表情が和らいでいる。
それが、気になったんだ。
ただ、それだけの話。
何にも、誰にも興味を示していない彼が何を見ているのかが気になっただけだ。
ただ、それだけなのだ。


「いつも、何見てるんだろうってさ。」
「え・・・?」
「朝、いっつも外見てんだろ?何見てんの?」


いつも一方通行だった言葉が会話というカタチになる。
それだけのことなのに俺は何故かわくわくしている。
ほんの少し。
ほんの少しだけでもいつもの無表情が崩れる様子が見れて嬉しいと思っている。
ほんの少し。
ほんの少しだけでも言葉を交わせることが楽しいと感じている。
何時の間にかこんなにも気にかかっているんだ。



「太陽・・・・」
「太陽?」
「そうだ」
「太陽見てるの、いつも?」



再び、ぽつりと落とされた言葉をもう零さない。
短い言葉に少しずつ俺が言葉を足して尋ねる。
その問いに彼は小さくこくりと頷いた。

「好きなの?」
「好きだ」


もう一度、問いをかけるとぐっと顎を反らし今度ははっきりと答えた。
その表情には、初めて年相応の笑みが浮かんでいた。


「我は太陽が好きだ」



端整な顔に浮かぶ綺麗な笑顔。
知らずのうちに俺も笑みを浮かべて彼と同じものを見ていた。


いつしか時間は経ち、段々とクラスメイトが教室に入り始めていた。
彼は外を見るのをやめ、席に着こうとした。
その足を留まらせ、俺は手を差し出した。


「俺、猿飛佐助。佐助でいいよ」




軽く払われると思っていた手は一回りほど小さな手で握り返された。





「毛利元就。好きに呼ぶがいい」




確かに、俺に向けられた顔は大好きな太陽を見るときの顔に似ていた。
握られた手は一瞬だったけど、
互いに大事なものに思えた。
別嬪さんの友達ができたなんて俺様自慢できんじゃない?





でも、きっと友達じゃ満足できない。

きっと、満足できない。


























――――――――――――――――
くっつく前ってか出会い編みたいじゃん。
何これ、続きそうな勢い?
ゴメン副隊長!所詮私の実力なんてこんなもんだよっ!
もし続き要るんなら言ってください・・・;;
佐就でもねぇよ。
ホントすまぬ;

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菊川望
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女性
職業:
百合にゃん双子斬り込み隊長・文字書き
趣味:
ネサフ・落書き・パロの妄想
自己紹介:
好きなもの:双子、百合にゃん、柄の悪い奴、パロetc...

好きな漫画ゲーム等:戦国BASARA、戦国BASARA2、銀魂、落乱(忍たま)、種、種運命、薔薇乙女、ブラック・ラグーンetc...
好きなキャラ(上記ジャンルより):政宗、元就、元親、佐助、小十郎、銀時、土方、高杉、桂、きり丸、団蔵、久々知、タカ丸、鉢屋、伊作、仙蔵、文次郎、食満、土井先生、利吉、アスラン、ファントムペイン、真紅、翠星石、蒼星石、水銀燈、ロック、レヴィ、ベニー

BASARA愛CP:伊達受全般、佐就

好きな声優:諏訪部順一、中井和哉、豊口めぐみ

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